第4章 検証作業をしてわかること
4-1 人間の心理は100年前も今も変わっていない。株価は群衆が動かしている。群衆の心理は何度もチャート上に同じパターンとして繰り返し現れる。
・マーケットにおいて、今も昔もこれからも変わることは何もない、変わるのはかもにされる者の財布と、カモをそそのかすものの顔ぶれだけである。(ジェシー・リバモア)
・検証作業を通してわかる事
ルールが機能しない時期の認識、ローダウン時期(連敗する時期)が必ずあると知っていれば、連敗したとしてもそういうこともあるさ と平気でいられる。それでも苦痛を感じてしまうかもしれないが、それを知らない状態で感じる苦痛より何倍も緩和される。
・確率を理解する前の行動:あれこれ悩みながらトレードをする。
確率を理解した後の行動:無駄なことを考えずにトレードをする。
シグナル(エントリー) ターゲット到着(利食い) 逆行(ロスカット)
・機能するとされているチャートパターン・テクニカル指標がトコトン騙す!!予想することがいかに無駄であるか! 骨身にしみて理解する。
これにより「当てよう」とか「予想しよう」という気持ちすら起きなくなる。個々のトレード結果がランダムであると本当に理解する。そした固執しなくなる。
・トレンド転換時の対応 :ドローダウン時だけうまいことルールを使い分けるなんて無理!ルールは一貫して建て玉を調節する。
・どんなに分析しても確実はない!と本当に理解することができる。トータルで機能するルールを見つけられる。さらに、ストレスの原因となる感情の発生がなくなる。
4-3 確率的思考回路を身につける
・人間の脳は「確率で考える」ようにできていない。
トレーダーとして成功するためには確率で考えるということが大事であると説明したが、残念なことに頭で理解するだけではそれを実行することは困難である。そもそも、人間の脳は確率で考えるように出来ていない。その理由を説明したい。
人間の脳は15万年前から基本的に変わっていない。その時代は、原因と結果を結び付け、それをパターン化して覚えることが大事だった。「こうだから、こうなる」 という考え方が確率よりも大事だった。
・原因と結果を結び付け、それをパターンで覚え結果が確実なものとする考え方。 因果論 「原因=結果」
・因果論で考える場合
チャートパターンやテクニカルによる仕掛け計画は、あくまでも「たった一つの仮説」でしかない。
しかし、人間には因果論で考える習慣がしみ込んでいるために「それが真実である!」とか
「確実なこと!」と解釈してしまいやすいのである。
確率で考えなければならないことを、確実なことと考えてしまう。
因果論の思考回路の状態でパターンを認識すると
「次に何が起こるか知っている」という心理状態に陥ってしまう。
(原因がわかっているのだから、結果だってわかっているとなってしまう)
何が起こるか知っているのだから負けるはずがない。
逆行はしているが、一時的なものであると都合のよい解釈をする原因となる。
・確率で考える場合
このチャートパターンで仕掛けた場合、100回中47回の確率でかてる。
ただし、今回はどうなるかわからない しかしトータルでは儲かると考える。
・確率的思考で実行できるようになるために、因果論で考えるのをやめ、確率で考える思考回路を身につけ、実行できるようになるためには、このような考え方を潜在意識にまで刷り込む作業をしなければならない。潜在意識への刷り込み作業をしなければ、いつまでたっても日常生活の思考回路から、確率的思考回路に変化することはない。 当然トレーダーとして成功はできない。
3-4 潜在意識の現状を維持しようとするメカニズム
・潜在意識は変化を嫌う。現状を維持しようとあらゆるものをコントロールする。日常の思考回路(因果論)から、確率で考える思考回路への変化を潜在意識は許さない。これを潜在意識の「現状維持メカニズム」と言う。
・どうしたらよいのか?
確率的思考に転換しようとするときに、それを邪魔する潜在意識に対してどう対処したらよいのか?
〇少しづつ新しい習慣を実行する。
〇違う思考の刷り込み作業をする。
3-5 反復による刷り込み作業
・因果論では成功できない!!何度も言うが、マーケットにおいて日常の常識や感覚(因果論)を持ち込んでトレードしていると成功できない。だが、因果論は潜在意識に深くしみ込んでしまっている! この考え方は、生まれてから今までずっとしてきた考え方なので、何度も反復して潜在意識に染み込んでしまった考え方なのである。
・トレーダーで成功するには、刷り込まれた因果論を取り除く必要がある。潜在意識に刷り込まれたこの考え方を取り除かないといけない。今あなたが「勝てないトレーダー」であるならば、因果論によって考える習慣が身についていて、それが強い信念となってしまっているのである。では信念を取り除けばよいのか?信念には強い力があり、これを取り除こうとしてもそれはできない。 反発が起きるだけである。信念は消すことはできないが、ほかの信念に転換することは出来る。ゾーンの著者 マークダグラスはこれを 信念の非活性化 と表現している。信念の非活性化 簡単に行ってしまえば、もう一つの信念を持てばよい。たとえば 「確実なことは何もない。個々のトレード結果はランダムである。」 とうい信念を持てば、因果論の信念が新しい信念に転換されて、結果的に元の信念が取り除かれたのと同じ状態になる。
ただし・・・・・・頭で理解しただけでは。。。。。新しい信念を持てばいいと理解しそうするぞ!! と決心しただけ。これでは新しい信念が根付かない。潜在意識に刷り込む作業をしないといけない。
3-6 反復の効果
・人間の脳は、意味のある・ない 正しい・正しくない に関わらず 反復されたことは潜在意識に刷り込まれてしまう。
では、トレーダーとして正しい考え方を潜在意識に刷り込むにはどうしたらよいのか?答えは 反復訓練(検証作業・デモトレ)による考えの刷り込み作業
効果のある反復作業の種類
・紙に何度も書く 例:漢字の書き取り
・口に出して何回も言う 例:掛け算九九
・同じ動作を何度も繰り返す 例:格闘技の技
視覚・聴覚・感覚の3種類の方法で記憶しその記憶を脳が保存する。一つの方法で記憶するより効果がある。
ネガティブな事を反復すれば、ネガティブな考え方になり
ポジティブな事を反復すれば、ポジティブな考え方になる。
とにかく、脳は、よくも悪くも反復したことを忠実に潜在意識に刷り込んでしまう。
3-7 イメージトレーニング
・自分自身が成功したトレーダーだと強くイメージすると、脳は勘違いをする。
体感イメージ:自分が体験しているようなイメージ
客観イメージ:第三者が見ているようなイメージ
体感イメージ。自分が体験したようにイメージすることにより、体験を増やすことができる。これにより、潜在意識に体験が刷り込まれる。成功した自分を体感イメージすると成功体験を潜在意識に刷り込むことができる。
客観イメージ。体験した情報を消すことができる。また、他人事のように冷静に分析することができる。
・過去の体験から、トレードにおけるあらゆるミスを恐れ、ルール通りのトレードができない。エントリーのタイミングに集中しなくてはならない時に、過去の失敗をイメージしてしまう。つまり、ネガティブなことに神経が集中する。これだは、今この瞬間の流れに乗れない。
・潜在意識は体感イメージを実現しようと動く。ポジティブであればポジティブな結果を実現しようと動き始める。ネガティブであればそれを実現しようとする。潜在意識に働きかけるためには、明確にイメージする必要がある。
・トレードで恐怖を感じているときは、ネガティブな事を体感イメージでイメージしてしまっている。これでは潜在意識に失敗するように働きかけているのと同じであり、潜在意識は忠実にそれを再現しようとしてしまう。スポーツ選手がミスを避けることに集中するあまり、ミスを呼び起こしてしまう現象がこれ。
・実現したいことは「体験イメージ」で。消したいことは「客観イメージ」でイメージすると潜在意識は目標に向かい自動操縦を始める。相場が始まる前に、損もあるが、利益もある。そして、トータルで勝っている自分を体感イメージする。そうするとネガティブな体感イメージの再生が起きない。今の流れに乗ることに集中できる。
私は「成功したトレーダーになりたい」ではなく「私は成功したトレーダーだ」としなくてはならない。
体感イメージで成功したトレーダーになった自分をイメージすると、潜在意識はそのように動き始める。
ミスや過去の失敗は客観イメージをすることで消去することができる。
これにより 今、その瞬間の流れに乗ることが出来る。
・私はエントリーに躊躇しないトレーダーだ。
・私は何事も起こりうると知っている。
・私は個々のトレードはランダムな結果であると理解している。
・私はロスカットに躊躇しないトレーダーだ。
・私はチキン利食いをしないトレーダーだ。
・利益を出すために次に起こる事を知る必要はない。
・私は常に自分の心を客観的に監視している。
・私は自分のルールの優位性に確信を持っている。
・私はサインに忠実に従うがそこに何の期待もしない。
・私は確実を求めない確率で考えるトレーダーだ。
コメントを残す