第1章 勝てるトレーダー・負けるトレーダーの考え方の違い
1-1 マーケットにおける食物連鎖
5%「すべてを手に入れる」、15%「どんなことがあっても生き残れる力を持つ」、80%「エサ」
1-2 トレーダーの成長過程
①無知:救いようのないただのエサ。道楽気分の素人。
②勉強を始めた初心者:知識を断片的に理解しているレベル。コツコツドカンを繰り返す。
③迷い人、セミナーオタク、商材オタク:テクニックと知識を知っているだけのレベル。特徴は「勝利の聖杯」を求め彷徨う。
④自分の心の注意を向ける、メンタルの重要性に気が付く:マインドの重要性を理解し始めるレベル。勝つために必要な要素がわかり始める。大負けはせずひどいことにはならないレベル。
⑤感情のコントロールができる:テクニックとマインドが備わり、勝つための行動ができる。トレーダーとして飯が食えるレベル。
⑥直感が正しくなる:時にルールよりも経験の積み重ねによる直感を優先し、機械的なルールより良い結果を得られるマスターのレベル、ここに来ると別世界!!
素人は、驚くほどの損を重ね続け、自分がなにもわからないまま、何も学ばず相場から去っていく。「ジェシー・リバモア」
1-3 結果の出ないトレーダーの特徴
・指導をしていて感じたことがある「同じ訓練を受け、同じ手法を使っているのに、なぜ成績に差が出る?」
・結果を出している者の共通点
「やれと言われたことは何でもやる。売買日誌をちゃんとつけ検証をする。基本的にプラス思考」
・結果の出ないもの・脱落所の共通点
「やれと言われたことをやらない。損失そのものから逃れようとしている。売買日誌をつけない。検証しない。恐怖・躊躇といった感情が強い。LCに物凄い苦痛を感じ、2.3回で嫌になる。モチベーションの低下。」
・なぜ、やれと言われたことをやらないのか?
「意味があると思えない。やったとしても結果がかわらないのでは?と不安を持っている。儲かっている人の手法を使えば儲けられると思い込んでいる。やったと思い込んでおり、実はずれたことをしていることに気づかない。」やらなくてはならないことを、やらないから結果が出ない。結果が出ないからモチベーションが下がる。
・やれと言われたことをやらないのは論外だが、言われたことをやっても結果が出ないやつもいる。なぜだ?
・人により情報のとらえ方、解釈が違う。感情というフィルターを通して情報を処理するので、恐怖・躊躇・早とちり、自分の都合のよい情報だけを取り入れる湾曲、遮断、自己正当化といったことを始める。 情報のとらえ方に違いがあることに気づいた。
・結果のでない者:まず最初に損失やミスなどネガティブな事に焦点を当てて、自ら自分の心に恐怖を生み出してしまい、ルール通りのトレードを困難にしている。
・ルール通りにやっているのに勝てない・・・とぼやいている奴の 99%が、実際にはルールに従っていない・・・「躊躇しろ」「恐怖しろ」「チキン利食いしろ」「LCしないでお祈りしろ」と 言っていないのにそれをしている。
・自分のしていることがわかっていない。つまり、事実を認識していないし、自分の状態を正確に把握すらしていない。何でこんなことが起きるのか不思議に思った。
・そこで、脳の仕組み、潜在意識などについて勉強することにした。
・人間の脳には、精神的苦痛・肉体的苦痛を逃れるために、情報の歪曲・遮断・自己正当化を始める仕組みがあることを学んだ。脳の苦痛回避のメカニズムそして、情報を歪曲し、自分の認識と事実が異なる状態を無意識に自分が作り出してしまっている。無意識なので自分の心が原因と気づかない。
・やり方がわかっているのに結果が出ないトレーダーは、今の思考回路(メンタル)を変えないといけない。
・しかし残念ながら、ほとんどの人の場合、考え方が原因と気がつかない。勝てないのは、トレードの手法を知らないからと思い込んでいる。 原因を認知していない者は治療のしようがない。 手法のに原因があると考えていると手法にしか焦点が合わない!
・トレーダーとして成功できないのは、能力が劣っているのが原因ではなく、脳の使い方が間違っているだけ。言い換えれば 失敗するために生まれてきた人間などいない。正しい脳の使い方をすれば誰でも成功したトレーダーになれる。
・あなたの脳は成功するように出来ている。
1-4 負けているトレーダーと勝っているトレーダーの考え方
・典型的なトレーダー(エサ)の考え
自分が感じるような恐怖心を成功したトレーダーも感じていると思っている。気合と根性、もって生まれた精神的強さでその恐怖心を克服していると思っている。だから自分も我慢強くなり、恐怖やその他の精神的苦痛を乗り越えなくてはならないと考えている。 一般的に「強い精神力=ものすごく辛いことを耐える事」だと思っている。これがすでに間違えている。
・成功しているトレーダーは 「一般的には理解しづらい独特な考え方をしている。」
勝っているトレーダーは恐怖心やトレード中のミスから精神的苦痛を感じないので「我慢・根性・苦痛を克服する精神力」これらを必要としない。そもそも思考のルールが違うからである。
・損失を恐れない。なぜならそこに焦点がなく、今、目の前にある機会をつかみ流れに乗ることにしか集中していない。
・成功したトレーダーは、全力を尽くして、分析して、もっとも起こり得ると予想出来るシナリオに沿ってトレードをする。しかし、個々の結果は気にしない。たとえそのトレードがLCであったとしてもルール通りにやればそれは正しい行動であると考えている。
・負けているトレーダーは、成功したトレーダー努力と根性で強い忍耐を養ったと勘違いをする。
・勝っているトレーダーと負けているトレーダーの考え方比較
負:儲けているトレーダーの方法を学べば勝てると考えている。
勝:ルールは期待値がプラスであれば何でもよいと思っている。
負:2.3回負が続くと嫌になってしまう。
勝:2.3回それ以上連敗があっても、確率を理解しているので何も感じない。逆にこの後にくる収穫期を楽しみにしている。
負:連勝が続くと有頂天になり、つい大きな玉でトレードしてしまう。
勝:この後のドーローダウン時期に備えるので、負けているトレーダーが感じるほど嬉しくない
負:エントリーに恐怖し躊躇する。
勝:自分の手法の統計的優位性を知っているので、エントリーに恐怖を感じない。
負:LCを躊躇する。損失を確定したくないので、ついお祈りする。
勝:ひとつひとつのトレードに固執しないので、LCをして損失を確定することをためらわない。
負:儲けそこない、おいていかれることを恐れる。
勝:自分のルールで取れるところを取ればよいと考えているので、儲けそこなうことを恐れていない。
負:含み益が損失に変わることを恐れてチキン利食いをする。
勝:含み益が損失ななることも含めての統計結果を知っているのでそのことを恐れていない。
負:マーケットに個人攻撃をされていると感じることがある。
勝:マーケットはあくまでも中立であり、自分の味方もしないが敵対もしないことを知っている。
負:考え方の重要性を本当に理解していない。
勝:心の在り方、考え方の重要性を理解しており、成功したトレーダーであるための心得を理解している。また、客観的に自分の心を監視する仕組みを持っている。
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